世界中で読まれている教典といえば『ヨーガ・スートラ』
- ヨーガとは心の活動の停止
- 八支則
スートラは難しいといわれていますが今回はさっと概要を説明しちゃいます。
ヨーガ・スートラはインドの六派哲学の一つ「ヨーガ学派」の根本経典で「サーンキヤ学派」と対になる学派です。いろいろな教えがあったヨーガを体系立ててまとめた初めてのテキストと言われています。
この経典が書かれたころは『輪廻転生』『解脱(悟りをひらく)』という考え方があり、どうしたら「生まれ変わらないのか!」=「解脱」を目指して修行をしていました。
『ヨーガ・スートラ』は「心をコントロールして解脱を目指す方法」がかかれています。
現代では「ラージャ・ヨーガ」の知識と実践方法が書かれたテキストとして知られ、現代ヨガの基本にもなっており世界中のヨガをする人たちに読まれています。
サンスクリット語の「スートラ」は「糸」という意味があり、木の葉や木の皮に文字を書いて糸でまとめていました。のちに、紙に書くような長い文章はこの葉裏には書けないので、極力単語をそぎ落とし短い文章、必要最小限の単語でまとめた経典をスートラというようになりました。
【ヨーガ・スートラ基礎知識】
編纂者:パタンジャリ(神話のパタンジャリ、文法の権威パタンジャリといろいろなぞの多い人物です。)
成立期:500年頃
学派:ヨーガ学派
技法:瞑想(八支則)
【本の構成】4つの章から成り立つ
1章:三昧の章(サマーディ・パダ)51節
2章:実践の章(サーダナ・パダ)55節
3章:超能力の章(ヴィヴーティ・パダ)55節
4章:独存の章(カイヴァリヤ・パダ)34節
【ヨーガの種類】
ラージャ・ヨーガ、王のヨーガと言われ、サーンキヤの哲学の考え方が基本にあり瞑想によって心を制御し解脱を目的にしている。
心を制御するための手法をアシュターンガ、八支則として8つの段階を階段を上るように順番に練習していきます。
【章の内容】
1章:サマーディ/三昧
ヨーガ・スートラの概要、三昧の説明、心の仕組みが書かれています。
ヨーガ・スートラでのヨーガの定義「ヨーガとは心の活動の停止」も1章の2節目にあります。
2章:実践の章(サーダナ・パダ)55節
ヨーガの実践方法、クリヤヨーガとアシュターンガ(八支則)の1段階目から5段階目までの説明があります。
3章:超能力の章(ヴィヴーティ・パダ)55節
八支則の6段階目から8段階目までの説明があり八支則の三昧を経験すると超能力が得られるとされています。
4章:独存の章(カイヴァリヤ・パダ)34節
八支則の三昧を経験し次の三昧まで到達すると「本来の自分」になる=解脱の説明があります。
哲学と聞くとついつい敬遠しがちですが、その手法をポーズの練習に取り入れることで体の使い方がより良い状態になってきます。
これからも、人生を豊かにするヨガ哲学をわかりやすく解説していきます。